プロジェクト ノウト

PROJECT NAUGHT

あらすじ

 神話の時代、悪魔の軍勢と神の軍勢が戦っていた。そして現代において、一人の科学者によって神話の魂が人々に宿り始める。魂と共に超人能力を得た人々は暴力主義と、それに対立するレジスタンスに分かたれた。政府を掌握する暴力。対抗するレジスタンス。争いは瞬く間にあらゆる人々を巻き込んだ。
 力は使えば使うほど体に馴染む。力に溺れる者も多かったが、自我を失いかねない力に恐れる者も多かった。レジスタンスは瞬く間に膨れ上がり、政府は打倒されるかに思われた。
 けれど争いは現代人のものではなく、神と悪魔のもの。魔王の魂と馴染みすぎたレジスタンスリーダーは、破壊に溺れ始める。悪魔たちは、幾星霜の年月を超え、世界の崩壊を目の前に突きつけた。
 破壊衝動に飲まれる悪魔と、それを殺す衝動に飲まれる天使。政府とレジスタンスの区別なく、争うために争う。
 唯一自我を取り戻す術は、心を通わせた友のぬくもりのみ。

趣旨

 現代日本でメゴメゴォ変形で戦って理性飛ばしたり飛ばさなかったりして厨二なことして楽しもうという企画。企画倒れ。
 今は世界観だけ残して適当に遊んだり遊ばなかったりする感じ。
 黒井的には元ネタはアームズなんだけど案の定跡形が無い。

用語解説

■Disastrophies(ディザストロフィズ)
「神は世界を作った。  天使を作り、楽園を作り、美しい世界を作った。けれど、天使を作れば悪魔が生まれ、楽園を作れば地獄が生まれた。これを駆逐しようとした神の心が、魔王を生んだ。
 悪魔は天使を憎み、天使は悪魔を憎み、そして魔王は世界の崩壊を望んだ。神率いる天使の軍勢と、魔王率いる悪魔の軍勢の戦いは年を二つ越え、世界は崩壊の一途を辿り、三度目の冬に全てが死に絶えた。
 全てが燃え尽きた後、雨が降り、折り重なった神と魔王の亡骸から一本の木が生えた。やがて木は実を結び、世界に人が生れ落ちた。
 これが世界の始まりである。」
 いつか誰かが言い出した寓話。マザーグースと並べて詩集として扱われている。
 作者不明。発祥地不明。世界中に伝わっており、同内容の書物がイギリス、フランス、ロシア、インド、中国で見つかっている。若干の違いはあるがほぼ同じ内容で、初版がどの国のものかは判明していない。第一篇である上記の詩の上に何事か走り書きしてあったが読み取れず、苦心の解析の後多くを自由に補填し最終的にディザストロフィズと呼ばれるに至る。
 第一篇以後、創世から終焉まであらゆる無駄話を添えて全1024篇となる。
■超人類【Naughter】ノウター
 科学者によって神話の魂が体の一部に宿った人間。科学者に直接会わずとも、科学者の半径数十キロに無造作に魂を降臨させることが出来るので、知らぬうちにノウターとなる者が多い。
 人ならぬ力を持ち、基本的には宿った部位に魂固有の能力が顕現する。それとは別に身体能力や自己修復機能を強化されることが多い。
 力の使い方は【なんとなく】わかることであり、争いの過程で自然と進化していく。だが、数をこなすほど、より強い力を求めるほど、宿った魂の人格とのシンクロが必要になり、折り合いがつかなければ暴走となる。
 強ければ政府に重用されるが、そうでなければ暴政に潰されるだけ。
■非超人類
 神話の魂を宿さぬ人間。ノウター過多の日本といえどもまだ多数存在している。
 自己修復機能の強いノウターといえども、科学の結晶、銃火器、ミサイルなどは十分有効であり、生身のまま戦うことも可能である。
■科学者
 とある日本人。専攻は遺伝子工学。世界で最初のノウター。
 数えれば三桁に及ぶ偶然と悪運が重なった結果、その目に神の魂を宿すこととなった。神の真理に触れた科学者は、手当たり次第に人々に魂を宿し始める。政治家も警察も、彼一人の力で超人類となった。
 政治の上に立つ権力を得るころ、彼は絶対的力に溺れた。自らの所有する組織を【PROJECT NAUGHT】と呼び、政府を巻き込んでその規模を拡大していった。研究はもはや必要ない。神の力と、それに従う暴力さえあればそれで。世界の支配者であることはどれほど愉快なことだろう。
■日本政府
日の丸  基本的に上層部は既に腐っている。
 科学者の言葉に逆らうことはない傀儡政治であり、科学者の威を借る暴力政治。
 多少その現状を憂えている者もいるようだが、裏切りは即処分につき中々行動に起こせずにいる模様。なお、政府から寝返ったレジスタンスメンバーは多数いる。
 上からの命令でノウター化はほぼ済んでいるが、若干名そうでない者もいる。
■PROJECT NAUGHT
プロジェクトノウト  科学者の抱える私兵集団。大体がノウター。
 あらゆる犯罪を取り締まり、あらゆる裏切りを成敗し、あらゆる危険を排除する。いわゆる特殊警察とかそういった趣であり、科学者の剣の代わりである。下町のごろつき風情から本物の暗殺業者まで選り取り見取り。
 非常に給金がいい。また、科学者による神の加護を受ける唯一の集団。科学者が直接触れることにより病気や怪我が一瞬で治る。
■反PROJECT NAUGHT組織【Bits-Blank】
ビッツブランク  ビッツ・ブランク。通称B-B(ビービー)。プロジェクトノウト及び政府に抵抗するレジスタンス組織。
 元大臣をリーダーとして日に日に規模を拡大しつつある。政府からの離反者、民間のノウター、反政府の一般人、また、政府に疑問を持っていた実動組織などを吸収している。力を持たぬ民間人に危害を加えることを良しとせず、暴力に頼る政府打倒を掲げる。
■B-Bリーダー
 右腕に魔王の魂が宿った者。圧倒的な破壊の力を持ち、強い破壊衝動を秘める。
 元防衛省大臣で、大統領に言われて魂を宿すも弱者を守らぬ思想に抵抗。レジスタンス【Bits-Blank】を組織する。仲間思いで思慮深い、良きリーダーであるが宿したのは破壊の神。
 力ある者として前線に立つも自我を乗っ取ろうとする破壊衝動と常に戦うことになる。
【パラサイテス】神話時代の魂
 敵を滅ぼすべく戦っていたころのまま時間が止まっていた、天使、或いは悪魔の魂。等しく神の力で人間に降臨する。多くの一般人に普及した後、便宜上の総称として【パラサイテス】と科学者が呼んだ。天使も悪魔もひっくるめてそう呼ぶ。
 戦争の渦中にあると思っており基本的に好戦的だが、それぞれの人格は残っている。宿主と馴染んでいけば対話も可能。
 人間を乗っ取り暴れる敵に対して、宿主を乗っ取ってでも敵を殺そうとする強い衝動を持つ。宿主の意思によって封じ込めることはまぁ不可能ではない。